青騒-I SAY LOVE-
#02. 地味不良舎弟と私
私は暫く倉庫内で響子さんや弥生ちゃんと他愛もないガールズトークをしていた。
でも途中で弥生ちゃんがハジメさんのところに行くため離脱。
響子さんもワタルさんやシズさん、皆のところに行ってお喋りタイム。
私も交じろうと思っていたんだけど、丁度ヨウさんが倉庫に入って来たから話に交わることは遠慮した。
ヨウさんが戻って来たってことはケイさんも戻って来てるわけで…、私はキョロキョロとヨウさんの周りを見渡した。
あれ、ケイさん…いないようだけど、倉庫裏かな? 自転車をとめてるのかな? すぐに来るのかな?
「ケイなら外で一服してるぜ」
ソワソワキョロキョロうーっろうろしてる私を見かねたヨウさんが、笑声交じりに倉庫の出入り口を親指で指した。
曰く倉庫裏で煙草を吸っているみたい。
何となく気分的に吸いたくなったとぼやいていたから、一本恵んでやったのだとヨウさんは肩を竦める。
そういえば最近、ケイさんは煙草をチラホラ吸ったり吸わなかったり。舎兄の影響なのかな?
「そろそろ自分で買って欲しいぜ」
煙草代も馬鹿にならないのだと、ヨウさんは文句タラタラ。
半喫煙者になりかけてるのだから、自分で用意するくらいの努力はして欲しいと鼻を鳴らしている。
でもヨウさん、文句は言いつつもちゃんと恵んであげてるところが優しい。
もしかしたらいつも自転車に乗せてくれるお礼をしているのかも。
ヨウさんってすっごく律儀だから。
私は軽くヨウさんにお礼を言って、外へと駆け足。その足取りで倉庫裏へと向かった。
ヨウさんの言ったとおり、ケイさんは倉庫裏にいた。
積み重ねられた角材の山に腰掛けて、ぼんやりと空を仰いで喫煙中。
ケイさんと煙草って不似合いなような気がするけど、こうして見つめていると意外と絵になる。
それはどうしてだろう?
彼が地元で有名過ぎる不良の舎弟だから、かな?
極力足音を立てないよう気配を押し殺して、彼の隣に腰掛ける。
そのままワッと脅かしてやろうと企てていたのだけれど、残念なことにケイさんは私に気付いた。