青騒-I SAY LOVE-


まさかの発言に、私達、びっくりの唖然。
 

ヨウさんがこんな弱気な質問するなんて思いもしなかった。

私達同様にモトさんもポカンとしていたけど、「オレは兄分だと思ってます!」息を吹き返して即答。

誰がなんと言おうと、それこそヨウさんにどう言われようと、ヨウさんは自分の兄分なのだとモトさんははにかんだ。


「兄貴らしいことなんて」


意識しなくても、ヨウさんはオレにとって十二分に兄貴らしいことをしてくれている。モトさんはちょっと照れながら語り部に立った。
 

「ヨウさんがどうして、そんな質問するか分からないですけど、オレにとってヨウさんは兄分です。喧嘩強いし、顔も心もイケメンだし、仲間思いで憧れ要素いっぱいですし」

「いやでもよ、テメェほど弟分に何かしたって記憶ねぇし」


「だから、意識しなくても、ヨウさんはオレにとって十二分に兄貴らしいことをしてくれているんですって。

だってヨウさん、オレを弟分だって言ってくれたじゃないですか。必要としてくれたじゃないですか。馬鹿な嫉妬を抱いても、騒動を起こしても、オレを信じてくれたじゃないですか。

それだけでオレ、すっごく幸せです。
貴方を追っ駆ける理由なんて、それだけで十分なんだって思います。

貴方の弟分だから兄分に何かして欲しいってわけじゃないんですよ、オレ」
 
 

そう見えるんだったらオレ、ちょっと悲しいです。
 

なんて強気に真っ直ぐ発言するモトさん、ヨウさんは目を瞠っていたけれど真摯な気持ちが届いたのか、「そっか」変なこと聞いて悪かったな、モトさんの頭に手を置いて一笑した。

気持ちが届いたと分かったのか、モトさんは「ヨウさんはオレの兄分です」満面の笑顔で宣言。

本当にモトさんはヨウさんを慕っているんだなぁ、やり取りにほっこりとした気持ちになる。
 

だけど、ヨウさん、またどうして急にそんなことを悩んでいたんでしょう…?

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