青騒-I SAY LOVE-
私の気持ちを代弁してくれたのはモトさん、
「兄分のことで悩んでたんですか?」
率直に質問。
するとヨウさん、
「ちょっとな」
とある奴に舎兄失格だって言われたもんだから、と苦々しく一笑。
途端にモトさん、
「はぃいい?!」
誰ですか、そんなこと言ったのっ、勢いよく立ち上がって握り拳をググッと作った。
「例えケイが舎弟失格だと言われても『あ、まあな』って、納得するオレがいる。いるけれど、ヨウさんが『舎兄失格』だと? どっこのどいつだしっ、そんな無礼極まりないこと言ったの! ヨウさんのなあにを知ってるってんだぁ!」
「あああっ! モト、お前、今ケイさんを侮辱した!」
「るっさい! オレはお取り込み中ッ!
オレは、オレは、オレはッ…、自分のことで蔑まれるよりもヨウさんのことで悪く言われる方が腹立つんだぁあああ! ヨウさん、どいつですかっ、オレの知ってる奴ですか!」
「あ、いや」
「ヨウさんのことをいっちゃん知ってるのはオレ、嘉藤基樹! だっていうのにっ、あろうことか舎兄失格なんてレッテルを貼りやがったクソ野郎は誰ですか! まさかヤマトさんですか?!
……ヤマトさんになると、ちょっと喧嘩苦しい…、だいぶん苦しい…、いやっ! でも弟分として勝ってきますから!」
「おい、モト」
「ヨウさんは世界一の不良だしっ! アアアアッ、腹が立つ! 何もかもがパーフェクトな人なんだぞ!」
「そりゃ…買い被り過ぎ…俺、どんだけすげぇんだよ」
「勿論すべてに決まってるじゃないですか! 何、謙遜してるんです?!」
「即答かよ?!」