青騒-I SAY LOVE-
で、軽く手を彼の手の近くに置…くつもりが、重ねてしまって、お互いに吃驚仰天。
私達は揃って石化してしまった。
でもすぐにケイさんが煙草の灰を地面に落としながら、何気なく手を重ねてくれる。
握るまではお互いに恋愛初心者で、ステップが踏めなかったけれど、彼の有り触れた気遣いが嬉しかった。
何も言わないけれど(言えないのかもしれないけれど)、軽く頬を染めながら触れてきてくれるケイさんが、やっぱり大好きなんだって私は痛感する。
右手に貰った前売りチケットを、左手に覆い被さる手の温もりを感じながら、風を頬で受け止める。
曝された頬は熱を帯びて火照っていた。
馬鹿みたいに鼓動が鳴るけれど、それを下手に隠すつもりはなかった。
だって鼓動自身が彼のことを好きだって叫んでることを、私は知っているから。
「なんか平和だな。全部が終わったから、だよな」
沈黙を裂くようにケイさんがポツリ。
声が緊張帯びていることに気付いてしまったけれど、私は何も触れず、「そうですね」相槌を打った。
本当に平和、あんなに喧嘩三昧だったのに…、不思議な感じがする。
「だけど…、俺は舎弟のまま。別にヤってわけじゃないけどさ。舎弟ってのは厄介だからなぁ」
打って変わって声のトーンが低くなる。
軽くケイさんを見やれば、「また喧嘩売られるかもしれない」平和って意外と長く続かないかも、ぼやく彼の姿。
ケイさんは自分が舎弟の肩書きを背負っていること、そのせいで私自身に喧嘩の飛び火がくるんじゃないかってことを懸念している。
それは告白をし合ったあの日から、ずっとケイさんに心配させていることでもあった。
自分が苦労している分、飛び火を受けている分、私のことを気遣ってくれてるんだと思う。
喧嘩ができないのに精一杯守ってくれようとしてくれる。
嬉しいけれど、その懸念がケイさんの負担になるのは芳しくない。
私は彼に向かって微笑んだ。
私達は揃って石化してしまった。
でもすぐにケイさんが煙草の灰を地面に落としながら、何気なく手を重ねてくれる。
握るまではお互いに恋愛初心者で、ステップが踏めなかったけれど、彼の有り触れた気遣いが嬉しかった。
何も言わないけれど(言えないのかもしれないけれど)、軽く頬を染めながら触れてきてくれるケイさんが、やっぱり大好きなんだって私は痛感する。
右手に貰った前売りチケットを、左手に覆い被さる手の温もりを感じながら、風を頬で受け止める。
曝された頬は熱を帯びて火照っていた。
馬鹿みたいに鼓動が鳴るけれど、それを下手に隠すつもりはなかった。
だって鼓動自身が彼のことを好きだって叫んでることを、私は知っているから。
「なんか平和だな。全部が終わったから、だよな」
沈黙を裂くようにケイさんがポツリ。
声が緊張帯びていることに気付いてしまったけれど、私は何も触れず、「そうですね」相槌を打った。
本当に平和、あんなに喧嘩三昧だったのに…、不思議な感じがする。
「だけど…、俺は舎弟のまま。別にヤってわけじゃないけどさ。舎弟ってのは厄介だからなぁ」
打って変わって声のトーンが低くなる。
軽くケイさんを見やれば、「また喧嘩売られるかもしれない」平和って意外と長く続かないかも、ぼやく彼の姿。
ケイさんは自分が舎弟の肩書きを背負っていること、そのせいで私自身に喧嘩の飛び火がくるんじゃないかってことを懸念している。
それは告白をし合ったあの日から、ずっとケイさんに心配させていることでもあった。
自分が苦労している分、飛び火を受けている分、私のことを気遣ってくれてるんだと思う。
喧嘩ができないのに精一杯守ってくれようとしてくれる。
嬉しいけれど、その懸念がケイさんの負担になるのは芳しくない。
私は彼に向かって微笑んだ。