青騒-I SAY LOVE-
何も言えず、口をへの字にしている私とは対照的に、同じグループに身を置いているハジメさんやケイさん、弥生ちゃんは積極的に意見を出していた。
皆、凄いなぁ…。
感心する私を余所に、弥生ちゃんが思いついたと意見。
それは私にとってある意味、衝撃な意見の出し方だった。
「んー。なんかさ、こういうのって私、よく分からないけど強行突破ってできないの? こう…大勢なんて目じゃない! みたいなカンジで」
「具体的に強行突破するってどげんゆうこつだ?」
「ケイみたいなカンジで突破すれば良いと思って」
白けた空気に包まれ、呆気に取られるグループ内。
打破しようとケイさんは素っ頓狂な声を出してどういうことだとアタフタ。悪びれた様子もなく弥生ちゃんは満面の笑顔で答えた。
「ケイっていつも言ってるじゃん。ヨウをチャリに乗せて強行突破したって」
「んー? ……ああ、それってヨウが無闇に喧嘩を売買したものだから、相手の逆恨みを買っちまって、最悪集団に追い駆けられるっていうアレか?
そりゃアレは、人数が人数だし。チャリで逃げるしかないと思って強行突破するけど」
「それだよそれ! だからさ。東西にいる都丸チームと刈谷チームを無視したいなら、びゅーんっと突破すればいいじゃん!
打倒榊原なら、びゅーんっと強行突破! どう? 名案じゃない?」
すると電光石火の如くハジメさんが戦法を思いつき、強行突破プラス、スピード勝負でいこうと意見。
スピードを上手く使えば、都丸チームと刈谷チームを潰し合わせることもできる。無駄な労力を使わず、最終目的に辿り着ける。
ハジメさんは強くつよく訴えて、弥生ちゃんに大手柄だと褒めを口にしていた。
それはケイさんも同じで、大手柄だと大絶賛。
得意気な顔を作る弥生ちゃんはケイさんの背中を思いっ切り叩いて、目尻を下げた。
「それもこれも、ケイがオモシロ強行突破話を私にしてくれてくれるからだよ!」