青騒-I SAY LOVE-
―――…その言葉に心が痛かった。
ケイさん、弥生ちゃんといっぱいお話しているんだ。
同校っていうのもあるだろうけれど、きっとそれだけじゃない。ケイさんは意図して弥生ちゃんと話している。
だって彼は弥生ちゃんの事が好きなんだから。
胸が悲鳴を上げていたけど、私は平然な顔をしてその場を凌いだ。そうしないと泣きそうだったから。
あっという間に戦法が決まると、ハジメさんはヨウさんに報告へ。
情報収集に行こうとしていた弥生ちゃんだけど、思い出したようにハジメさんの下に駆け出す。
その一光景だけで弥生ちゃんはハジメさんのことが好きなんだって分かる。
だって駆け出す足取りが軽快なんだもん。
恍惚にケイさんはソレを眺めていた。
なんだか、二人の様子に溜息をついて……、「はぁーあ、切ない」とポツリ。
見るからに落ち込んでいるような…。
ど、どうしよう聞いちゃいけないことを聞いた気がするけど、落ち込んでいたら励ましたくなる。
「げ…元気出して下さい! え…あ、なんて…安易に言っちゃいけないと思いますけど」
ケイさんの隣に腰を下ろして、モジモジと手遊びをしながら声援を送った。これでもすっごくすっごくすーっごく勇気を振る絞った方だよ、私。
びっくりしたような顔でケイさんは私の方を見てきたけど、一変して柔和に綻ぶ。
「励ましありがとう。いやさ、ちょっと感傷に浸ってたみたい」
その感傷って…、やっぱり弥生ちゃんに。
いつもだったら、いつもだったら絶対に口走らないことなんだけど、その時の私は自制が利かなかった。