青騒-I SAY LOVE-


「ケイさん…恋してるんですか?」

「へ? っ、まっさか!」


動揺しまくるケイさんに、言わなきゃ良かったなぁと思いつつも彼をこんなに動揺させる事が出来るなんて、ちょっとした悪戯に成功した気分。


「一本取ったみたいですね」


おちゃらけてケイさんに微笑む。


ケイさんはあからさま動揺、頬を紅潮させ、「どうしてそう思うんだ?」理由を聞いてきた。

勿論ソレは私がずっと貴方を見続けていたから、なんて言えるわけもなく女の勘だと答える。

うん、これもある意味本当のことだし。


動揺を続けていたケイさんだったけど、諦めたのか、白状した。



「恋してるんだ、俺。ココロと同じだな」



へっ?


真ん丸に目を見開く私に、「そうだろ?」ケイさんはさっきの私と同じ顔をした。

な、なんでケイさんっ、私の気持ちを…、ま、まさかばれていたのかな、私の気持ち。


気恥ずかしくなった上に決まりが悪くなった。


顔を真っ赤に染め上げながら、私はケイさんと同じ台詞を口にする。


どうしてそう思うんですか? って。


そしたらケイさん、最高に悪戯っぽい顔を作って男の勘だと答えてくれた。

う゛うっ、ケイさんに三本も四本も取られた気がする。

シッペ返しを食らった気分っ、こんなことになるなんて…、ちょ、調子に乗るんじゃなかった。

けど、ケイさんに見透かされているなら否定は出来ない。

私も答える。

「恋をしてます」と。


恋している相手は流石に言えなかったけれど。
向こうも気付いてないみたいだし。


訪れる沈黙、ふっとケイさんが腰を上げて制服についた砂を払い始めた。



「なあ、ココロ。ちょっと外で話さないか?」


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