青騒-I SAY LOVE-
グズッと洟を啜って私はちょっと大きめの声で「ノーです」、頬を染めながら彼に言った。
「流石は彼女!」
ココロだけは俺の味方!
大好きな笑顔を私にいっぱい、いっぱい、見せてくれる。
笑みを返して、私は目尻を下げた。やっぱりケイさんが大好きなんだ私。
両想いになれたことを神様に感謝したいほど、私は彼が大好きだ。
「んじゃあ、ケイとココロを祝って乾杯しようぜ。
んー、ファミレスは酒が頼めねぇのが難点だよな。俺等、制服だし。うっし、今度誰かん家で飲み会しようぜ」
音頭を取るヨウさんが、コーラの入ったグラスを片手に乾杯と声を張った。続けて私達も乾杯。
店内が騒がしくなるのは申し訳ないと思うけど、こういった馬鹿騒ぎが楽しくて仕方がなかった。
少し前の私だったら馬鹿騒ぎする集団を敬遠していただろうに。
嗚呼、今まで味わったことない友達の温かさ、優しさ、喜ばしさ。
お友達と一緒にいる事がこんなにも楽しいと思えるなんて。
あの頃は学校が終われば即家に帰って、ごろごろとしたり、手芸に勤しむのが楽しかった。
だけど今は家に帰りたくないと思うほど、彼等の傍が心地良い。
日賀野さん達の対峙の最中(さなか)、私は日常の幸せを沢山抱き締めた。
喧嘩ばかりの毎日だけど、私自身、こうした日常の方が好きかもしれない。
泣いて笑って喜んで、彼に告白したその日、私とってかけがえのない宝物の1ページになった。…わけだけど、その日は大きく決意を固める日でもあった。
暫くファミレスで入り浸り、どんちゃんとお祝いパーティーを行った後、私達はその足で行きつけの三階建ゲームセンターに向かった。
門限やら補導やらのことが気掛かりだったけど、少しだけ遊ぶぐらいなんてことないだろうと喧(かまびす)しいBGMが鳴り響く遊技場へ。
そこで全員強制参加のエアホッケー大会を開催。
私は一回戦で負けちゃったけど(お相手はキヨタさんだった。勝てる筈がない!)、参加したことに後悔はない。
皆で参加したからとても楽しかった。
それが一区切りすると少しの間、個人の時間。各々ゲーム機で遊んだり、駄弁ったりして時間を過ごすことになった。
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