青騒-I SAY LOVE-


確かにテメェはそれほど手腕なんざねぇけど、テメェが思ってるほど弱い奴でもねぇよ。

立派に俺の舎弟してきたじゃねえか。

よくもまあ逃げず、此処までやってきたって思うほど。


俺の舎弟ながら感服するぜ。


俺の思いつき行動で随分振り回してるのに、テメェは俺の舎弟をやってきた。

そりゃテメェの糧にしてもいいと思う。


ケイ、もっと自分を信じてもいいんじゃねえか?

テメェだって伊達に喧嘩を乗り越えてきたわけじゃねえんだ。

あの事件のテメェと今のテメェを比較した時、テメェは確実に強くなってる。


俺が保証してやっから。


それにココロだって弱い女じゃねえだろ?


だって自分の選んだ女じゃねーか。


ココロも弱い女じゃねえ。

そういう場面に出くわしても、ぜってぇ大人しく従う女じゃない。

信じてやれよ、ココロを。
テメェの女だろ? テメェ等なら大丈夫だ。


俺はテメェ等を信じてるし、俺も仲間を守るために最大限努力するつもりだ。何よりも俺のためにな。



「安心しろって。舎兄は舎弟を信じるっつったんだぞ。誰よりも、それこそテメェ自身以上に、俺はテメェを信じてやるさ」



彼は泣き笑い。
 
「…なんだよ。反則なんだよ」

これだからイケメンくんはヤダヤダ、何を言っても絵になるんだから。
 
皮肉って、泣き泣き笑いを浮かべて、優しさに胸を打たれて…、極め付けにケイさんはポケットからティッシュを取り出し、ちーんっと洟をかんだ。

「クサイ友情はな…、涙を誘うんだぞ」

忘れるなよドチクショウ、軽く肘でヨウさんを小突く彼。

なるほど、一つ学ばせてもらった。
クサイ友情は人を泣かせるのデスネ。

おどけ口調になるヨウさんは、「俺って超良い奴だな」子供っぽく笑う。
 
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