青騒-I SAY LOVE-
「わかんね」
俺は素直に返答した。
今はこの関係で満足しているから、それ以上の欲は出ないとこれまた素直に律儀に返してやる。
恋愛初心者若葉マーク付きのジミニャーノには未知なんだよな、そういう世界。
今はただただココロを大切にしてやりたいってのが先に出てくるし。
今まで随分我慢させてたしな…、俺だって本当は付き合ってすぐにでも二人の時間を設けてやりたかったけど…、あの時はまだ過中真っ只中っだったしな。
こうして終止符、いや一区切りついた騒動に一安心してるけどさ。
―…けどさ。
「ケイ、テメェさ。少しは自分に自信持てって。どーせ舎弟の肩書きで悩んでるんだろ?」
情けない面を曝け出しちまったせいか、ヨウに心情を見抜かれた。
最近は何だかヨウにすぐ心情を見透かされる気がする。
俺がヨウの気持ちを察してしまうように、ヨウもまた俺の気持ちを察しちまう。これも舎兄弟のパワーなのかな。
曖昧に笑う俺は「そうだな」舎兄に相槌を打った。
というものの、ちょい舎弟の肩書きが俺には重たいや。
だってさ、俺達は日賀野達と手を結んで、かつて地元に名を轟かせていた五十嵐を伸したんだ。
遅かれ早かれ噂は不良達の間に広がる。
怖じを抱く不良達もいれば、当然生意気だの力試しだので喧嘩を吹っ掛けてくる血の気の多い不良もいるわけだ。
俺の名前、名前自体は売れてなくても“ヨウの舎弟”としては十二分に売れっ子だから…、これから先の未来が不安だったりする。するんだ。