青騒-I SAY LOVE-
#03. 好きの気持ちを抱き締めて
◇
楽しいデートから二夜明けた。
今日は月曜日。また一週間、勉学に励む日々が始まる。
私はバタバタと制服に着替え、寝癖立っている髪を櫛ですき、大急ぎで通学鞄を肩に掛ける。
もうすぐバスが来る時間だ。
早く停留所に向かわないと!
自室を飛び出した私に、ばあばが呆れながら転んで怪我をしないようにと声を掛けてきた。
玄関まで見送ってくれるばあばは、「今日は七時くらい?」帰宅時間を聞いてくる。「分かんない」でも九時までには帰るから、返答する私に活発的な子になったわねとばあばは綻ぶ。
口端を持ち上げて笑みを返す私は、元気よくいってきますと挨拶をして朝日に包まれた外界に足を踏み入れた。
駆け足で通学路を走る私の通学鞄には揺れている垂れ耳ウサギのマスコットがぶら下がっている。
ケイさんが買ってくれた思い出の品だ。
走るとぶらんぶらん、ウサギさんが揺れる。
振動で揺れる度に私は思い出し笑い。
今しばらくは口元が緩みそう。傍から見たら不気味だから、しっかり意識をして口元を締めとかないとね。
私が停留場に到着すると、向こうから豆粒バスが見えた。
どうやら間に合ったみたい。良かった。
胸を撫で下ろす私はそのバスに乗って学校へ。
いつものようにのらりくらり、おしくらまんじゅうされながら目的の停留場に着いた私は下車して学校の正門を目指す。
途中で欠伸を噛み締めながら登校しているシズさんに会い、私は手を振って彼と一緒に教室まで足を運んだ。
朝からテンションが高いことがばれてしまったみたいで、
「デート…楽しかったんだな」
と朝イチから茶化されてしまった。