青騒-I SAY LOVE-

 
昼休み。

午前の授業をきっちり受けた私は、いつも使っている東棟の4F空き教室に赴いた。


そこで先輩の響子さん、同輩のシズさんと一緒にご飯を取る。


デートの話も沢山した。ケイさんに買ってもらったのだとウサギさんのマスコットも自慢した。


私の話に響子さんはそうかそうかと微笑ましそうに相槌を打ち、シズさんは「ノロケ」胸がいっぱいになりそうだと遠目を作っていた。


恥ずかしい反応をされたけれど、浮かれ気分の方が勝って私は照れ笑いでその場を凌ぐ。


だってノロケたかったんだもの。
 



放課後は急いで倉庫裏のたむろ場に向かう。


ケイさんがいるかなー? って思ったんだけど、残念なことに彼はまだ来ていなかった。


落胆する私に響子さんもシズさんも大いに笑ってくれましたよ、うん。


折角浮ついた気持ちでいるんだから、たむろ場にいてくれても良かったのに。


早く会いたくて仕方がなかった私は、

「学校に行ってきます!」


通学鞄を持ったままたむろ場を飛び出した。

途中で中学生組に会ったから、軽く手を振って挨拶。


「何処に行くんだ?」


モトさんが走る私に質問してきたから、首を捻って大声で返事した。



「ケイさんを迎えに!」


< 303 / 322 >

この作品をシェア

pagetop