青騒-I SAY LOVE-


しかもあの二人はジッミーなくせに空気を読むのが上手いもんだから、俺達がちっと気遣うと「そういう関係は望んでない」とか言いやがるわけだ。

俺としてはさっさとケイに告ってもらいたいわけなんだが、ケイの奴、やたら恋愛には消極的。

自信喪失気味に尻込みしちまって。

響子もココロを全力応援しているわけだから、是非とも告白するなりされるなりされてぇみてぇなんだが、当事者同士がな。


このままだと二人とも両思いなのに気持ちも伝えられず、それで終わってしまう。

それは我慢ならないと響子が立ち上がったわけなんだが、俺達にできることなんざ限られてねぇか?

あいつ等は空気を読むのが上手いんだ。

変に気遣うとすぐ察して、「イイお友達でいたいから」と厚意を拒まれてしまうと思うんだが。

俺の意見に、「けどよぉ」このままじゃ可愛いココロが…、溜息をつく響子はどうしてこんなことになってしまったやらと首を傾げた。


途中までいい雰囲気を辿っていたのに。

ブツクサ文句垂れている響子は、「ケイが動いてくれたらなぁ」っと眉を下げた。


手っ取り早くケイが告白してくれたら万事丸くおさまるのだけれど、吐息をつく響子。


「それは難しいと思うぜ」


俺はやんわり言葉を返した。
あいつはあいつなりに自信喪失して、諦めモードに入っている。

あんま周囲から押せ押せ攻め攻めと応援されても困惑するだけだ。

恋愛にはすこぶる消極的だし、ココロが好きなくせに意中がいると返すばかりだし。


意中って誰だよ。

あいつ、ぜってぇ勘違いしてると思うんだけど。
 

「うーん、ケイを動かすには……、彼に自信を持たせるといいかもね」


それまで静聴していたハジメが助言してくる。

何かと受身になりがちなココロを動かすのは性格上至難の業。だったらケイを動かすしかない。

でもケイは自信を失っている。

イコール、ケイに自信をつけさせると展開が変わってくるのではないかとハジメは言った。

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