青騒-I SAY LOVE-


なるほど、そりゃ良い案かもしれねぇな。

ケイって乗ってくれたら動くタイプだから、きっと自信を持たせれば晴れてお付き合いなんかもあるかもしれねぇ。


指を鳴らす響子はそれでいこうと即答し、「自信を持たせるには」褒めるのが一番だよな、と俺達に尋ねてくる。

うんうん頷く俺達に、全員で褒めても逆効果の違和感バリバリだと響子は腕を組み、代表してひとりが突撃してみることにしようと提案した。


「まずヨウは却下だな。あんたに褒められても存在が嫌味だから、あいつを余計落ち込ませる」


……どういう意味だそれ。
 

「んでもってモトだが…、アンタが褒めても皮肉なんだよな。馬鹿みたいにいっつも突っかかっているし」

「う゛っ。響子さん。耳が痛いんですけど、その台詞」

「キヨタは…、過度にケイを褒め過ぎそうだしな。ワタルは当然却下。無理。論外」


「ええぇえ?!」「酷いっぴ!」落胆の声を上げるキヨタと抗議の声を上げるワタルを無視し、響子は思案に耽る。


自分を数に入れていないってところが狡いと思うんだが、響子の考えだと普段人を褒めなさそうな兄分的な奴が適役だとか。


しかも面倒見がいい奴とハイレベル。


そんな奴、チームの中に……、あ。


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