青騒-I SAY LOVE-
結局、失敗に終わったこの作戦。
だったら極自然に告白させたくなるような雰囲気作りを作ろうと俺達は思い立つ。
失恋は決定だけど、気持ちを抑えきれない。
うっしとにかく当たって砕けろ! みたいになったら、ケイもしくはココロも動いて告白するんじゃ!
ということでまずは空気作り。
ファミレスに来た俺達は二人を意識させるべく、席順を極ごーく自然に割り当てる。
そう、二人をボックス席の、しかも向かい合うような形で座らせる。
隣同士じゃあからさま過ぎるから、自然に、しぜーんに、お見合い光景を作る。
完璧じゃねえか。
が、此処で大問題が発生する。
俺は響子の目論見の下、弥生や中坊達とタッグを組んでケイ達と一緒の席に座ることになったんだが、その際、順に俺の隣にココロが、その隣にモトが。
弥生の隣にケイが、その隣にキヨタが座ったんだ。
それまでは良かった。
良かったんだ。が、向かい合った二人は妙に落ち込んだんだよ。マジで。
空気がめっちゃ淀んでさ。気まずいのなんのって、空気が悪い! なんでだよっ、なんで空気作りの段階で躓いているんだよ!
コーラを飲んでふぅっと溜息をついているケイは、意味深に俺達を、んにゃココロを見て溜息。
ミルクティーを飲んではぁっと溜息をついているココロは、意味深にケイ達を、んにゃケイを見て溜息。
「(せめてヨウの隣にココロを座らせてやろうと思ったんだけど、これはこれで辛いかもしれない。はぁ…、切ない)」
「(せめて弥生ちゃんの隣にケイさんをって思ったけど…、視界に入るって辛いなぁ。場所、変えてもらおうかな)」
表には出さないけど、どーんっと落ち込んでいる二人に俺達は千行の汗を流した。
なんで、こんな空気になったんだ。おい、誰か説明しやがれ。
ムードメーカーの弥生が、そうだっと手を叩き、話題を切り出す。