青騒-I SAY LOVE-


「この面子で駄弁るってあんまりないよね。なんか、面白い話題ない? ねえ、モト」

「(え゛? オレに振る?!)ああーっと、キヨタ。あの話しろって。あれだよあれ」

「(ゲッ、逃げたなモト!)えぇえっ、俺っち、皆の前であの話はハズイなぁ。ヨウさんとか、あの話で盛り上がりそうッス!」

「(結局俺に来るのかよ!)あの話か? いやぁ、あれは参ったな。ははっ。あれな、あれ、参った参った。」


会話になってねぇ、俺等の協調性ゼロじゃねえか。

あれで回る会話にまったく理解していないのは当然ケイとココロ。

キョトン顔を作っている二人は、「何の話か分かる?」「いいえ」と首を傾げ合っていた。


だよな、俺等もイミフだし。


「そ、そうだ! 俺っち、皆の恋愛話聞きたいッス! 実は最近、恋愛話にハマっていて」


テメェは女子高生か!

んでもって露骨ーっ!

キヨタ、お前それは露骨な話題だぞ!


幾らあれの会話が苦しいからって、そりゃないぜ!


「恋愛ねぇ」ケイは彼女なんてできたことないときっぱり言い、「私もです」ココロはそれに同調した。

ほっらぁ、こうなっちまうだろうが。向こうで響子が頭を抱えてっぞ。


「片恋は抱くけど、それまでなんだよな。想うだけで終わり」

「そうそう。私もなんですよ。告白なんて大それたことできません。目に見えるのは玉砕ですもの」

「それ! マジそれなんだよ。玉砕して気まずくなったら、な?」

「ほんとですよね。漫画みたいに実はお互いがお互いに想い合っていましたーっ、なんて都合のいい話ありませんもの」

 
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