青騒-I SAY LOVE-


あははのは、で笑い合う地味組。

このど阿呆どもっ、此処にあっちゃうんですが。此処に、このテーブルに!

心中で溜息をつく俺達を余所に、

「あ。ココロのケーキ美味しそうだな」

「食べます?」

二人が自分の頼んだメニューを交換し合っている。こんなに仲が良くて、どーして気付かないんだ。こいつ等。

まったくもって地味組の恋愛の線引きが分からん。ちっとも分からん。

そこまでデキんなら、告白だって余裕だろうよ! 俺には尻込みする気持ちが分からん。


「告白しちまえって」


ついぽろっと出てしまった本音に弥生達の表情が強張る。

しまった、冷汗を流す俺はぎこちなーくケイに視線を流した。


すると斜め前から足蹴りを食らう。


「イテッ!」声を上げる俺を余所に、余計なことを言うなよ、言うなよ、やるなよ、と言わんばかりの眼を飛ばしてくる舎弟の姿が。

そ、そういや俺だけがケイの気持ちを知っていた設定だったよな。

ははっ…、実は皆、気付いてンだけどな。


「告白って?」


ココロが食いついてきた。

「さあなんの話だろうな?」

ケイは自分にも分からないとうそぶいて肩を竦めた。

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