青騒-I SAY LOVE-
微苦笑を零した後、私はまだ何も映し出されていないスクリーンを見つめる。
まっさらな巨大スクリーン、あれで上映される映画が映し出されるんだろうけれど…、あれを見つめていると懐古の念がぶわっと蘇ってくる。
なんでだろう。
スクリーンがまっさらだから、かな。
スクリーンがまっさらだからこそ、自分の心を映し出すのかもしれない。
見つめれば見つめるほど溢れ出てくる思い出。
静かなBGMとザワザワとざわめく声で満たす館内の一角で、私は思い出のページを捲り始める。
こうしてケイさんと付き合うようになったのも、ヨウさん達と仲良くお話ができるようになったのも、響子さん達と気兼ねない関係になれたのも…全部一つの出逢いから。
可愛い服をコーディネートしてくれた内の一人、三ヶ森響子さん、三ヶ森先輩のことを想う。
私、響子さんに出逢わなかったらずっと小中時代の私のままだった―――…。