青騒-I SAY LOVE-
「ま、ヨウの思いつきで決めただけだから…長く続くとは思えねぇけど。
あいつ、自分が不良の立ち位置的にどっこらへんにいるのか自覚してるんかねぇ。
舎弟になったヤツもカワイソーに。
ヨウの舎弟とか手が焼けるにちげぇねぇ。こりゃ一悶着も二悶着もあっぞ。どーなることやら」
「ホントにね。何よりもモトがヨウのことライクだから」
「ラブの間違いだろ?
あの喧嘩馬鹿をあそこまで慕えるモトには、ある意味感服するけどな。モトにとってヨウは“尊敬”そのものみてぇだし」
スパスパ煙草を吸いながら響子さんは真情を吐露する。
「ココロはどう思う?」
彼女に話題を振られて暫し思案。
取り敢えず、その子もグループに馴染めたら良いと思うと返した。
仲良くなりたいのは本当だし、その子がグループでギクシャクとして肩身の狭い思いをするのもヤだし、グループ自体の雰囲気も悪くはしたくない。
円満に仲良く出来たら万々歳だしね。
私は舎弟のことは置いておいて会える日を楽しみにしている、と答を返す。
同調はしてくれる二人は、
「あとの問題は舎兄に任せるか」
自分達は自分達で成り行き舎弟になった奴を受け入れよう。
ノリで決めたとはいえ、ヨウさんの見定めた人だから、きっと馬が合う筈。そう笑っていた。
「あ、そーだ。話題は変わるけどココロ、弥生、今度の日曜。空いてねぇか? 暇でさぁ。どっか遊びに行こうぜ」
私は即座に頷いた。
だって私も暇だから。基本的に休日は暇人になるし…、願ってもないお誘いだった。
大丈夫だとうんうん頷く私を余所に、弥生ちゃんはごめんと両手を合わせてくる。
曰く、ハジメさんと先約を入れているらしい。
「微笑ましいねぇ。おデートか?」
ニヤリニヤリ笑う響子さんに、
「ザーンネン。付き合えてませーん」
弥生ちゃんは舌を出して反論。
この頃知ったんだけど、弥生ちゃんはハジメさんのことが好きみたい。
彼のことになると彼女の取り巻く雰囲気がすっごく柔らかくなる。ついでに桃色に染まる。
ハジメさんはどうだろう?
二人で遊びに行く約束を取り付けているくらいだから、些少ならず意識はしていると思うんだけど。