青騒-I SAY LOVE-
「ココロ、アンタにだって好きな奴が出てくるって。好きって想ってくれる奴がいるさ」
さり気ないフォローが何よりもグサっとくる。
出てくるって何十年後の話でしょう?
四十過ぎて…、だったらもうお笑い種だと思うんですけど。
「そ…そうでしょうか? 私…、こんな性格ですし」
オドオドオロオロ返答する私に、「いる」響子さんは強く押した。
「アンタを男にやるのは勿体無いけど、ああ勿体無いさ。勿体無さ過ぎて、男にやりたくねぇけど、大切な事だから二度言う。勿体無さ過ぎて男にやりたくねぇけど…、絶対に好きって想ってくれる奴がいる。
うちが保証してやるって。
アンタ、良い性格してるんだしさ」
一変して破顔する響子さんは自分に自信を持つよう、アドバイスをくれた。
「大丈夫。ココロのことを好きって言う男は必ず現れる。想ってくれる男は必ず現れる」
その時の響子さんはまるで預言者そのもの。
私は微苦笑しか返せなかったけれど、この予言が後々的中するなんて思いもしなかった。私自身、恋すら疎遠になっているから…、高校の間は絶対に恋愛なんてできない。
そう思っていたんだ。