青騒-I SAY LOVE-



「ココロ、アンタにだって好きな奴が出てくるって。好きって想ってくれる奴がいるさ」




さり気ないフォローが何よりもグサっとくる。

出てくるって何十年後の話でしょう?
四十過ぎて…、だったらもうお笑い種だと思うんですけど。


「そ…そうでしょうか? 私…、こんな性格ですし」

 オドオドオロオロ返答する私に、「いる」響子さんは強く押した。


「アンタを男にやるのは勿体無いけど、ああ勿体無いさ。勿体無さ過ぎて、男にやりたくねぇけど、大切な事だから二度言う。勿体無さ過ぎて男にやりたくねぇけど…、絶対に好きって想ってくれる奴がいる。

うちが保証してやるって。
アンタ、良い性格してるんだしさ」
 

一変して破顔する響子さんは自分に自信を持つよう、アドバイスをくれた。
  
 



「大丈夫。ココロのことを好きって言う男は必ず現れる。想ってくれる男は必ず現れる」
 
  



その時の響子さんはまるで預言者そのもの。

私は微苦笑しか返せなかったけれど、この予言が後々的中するなんて思いもしなかった。私自身、恋すら疎遠になっているから…、高校の間は絶対に恋愛なんてできない。



そう思っていたんだ。



< 62 / 322 >

この作品をシェア

pagetop