青騒-I SAY LOVE-
それはケイさんが日賀野大和さん本人にフルボッコされた日のこと。
舎弟という肩書きを狙われたケイさんは、お友達の五木さんを人質に取られ、日賀野さんの舎弟になるよう脅された。
苦悶した挙句、ケイさんは五木さんを逃がすという手段を取って自らフルボッコになる道を選んだ。
ヨウさんを裏切れない、五木さんも傷付けたくない、苦悩した末の選択はケイさん自身が大きく負傷することになる。
五木さんが私達に助けを求めてきたけれど、時既に遅し。
ケイさんは日賀野さんに容赦なくフルボッコされてしまった。
「あ、ヨウさん! ケイさんは無事…、ケ、ケイさん」
「ココロ…、悪い。ケイの手当てしてくれっ。ヤマトにヤられちまった」
ゲームセンターに運ばれた時のケイさんの姿は見るも堪えない…、傷、痣だらけの姿。
その姿に誰もが絶句、特に庇われた五木さんの表情は土色に染まっていた。
私は急いで近くの薬局で応急手当の道具を調達、ケイさんの怪我の手当てをしたんだけど。
直後、ケイさんは五木さんと大喧嘩。
お互いに主張する意見を譲り合わず、引っ叩きあいにまで展開した。
その場にいたヨウさんやモトさんが懸命に止めに入っても喧嘩は止まらず、でも…、五木さんの言葉に、
「途中の過程がどうであれ、お前の判断は自分の目から見た限り間違っちゃいなかったんだ。日賀野の誘いを断ったことも、自分を逃がしたあの行為も、」
一字一句の台詞に、
「ヤラれたから何だ。ダサいから何だ。お前は間違っちゃ判断なんかしてない。頼むから自分の判断に胸張れ」
ケイさんは気張っていた気持ちを、
「でなければ、お前を置いて助けを求めに行った自分の行動さえ…間違いだと思ってしまうだろ。別の手があったんじゃないかと、お前にも自分にも腹が立つだろ。悔いるだろ。
どんな思いでお前をあの時置いて行ったと思うんだ…っ…、何も分かっていないッ、お前は何もッ」
決壊させてしまった。