青騒-I SAY LOVE-
待たせては悪いと思って、急いで電話には出たけど、
『ココロさーん』
ケイさんの声を聴いた瞬間、頭が真っ白。
『もしもーし、ココロさーん。聞こえてます?
なあ、響子さんの電話、ナニ? 俺、なんで怒られたんだ? てか…抱くとかスるとかっ、なにがどーしたら…』
えぇええっとナニをどうするんだっけ?!
そ、そうだ! 否定! 否定しないと!
あ、でも全力で否定したら…ケイさんに触れること自体嫌がってるみたいだしっ、と、とにかく頑張って説明しないと!
「ああああっ、ええええっ、ち、違うんですよ! そ、そ、そのですね! 抱くとかスるとかは向こうが勘違いをっ…、いやでもシたくないわけじゃなくって!」
『こ、ココロ? なんかテンパってるだろ? 落ち着けって。俺はただ、響子さんの電話の内容に説明を』
「あああうううっ、が、が、頑張りましょうケイさん! 私達っ、ヤればできる子です!」
『―…え゛? や、ヤればって』
「ヤ、ヤれる子です! じ、地味でも頑張れます! ケイさんっ、地味でも舎弟頑張れるって言ってたじゃないですか! 何だってできます! ね!」
『だって俺達、地味でも不良でも同じ人間だもの! 何だってできるよな!』
「はい! できます!」
『ってっ、ノらせるんじゃないココロ! お、落ち着いて自分の言ったことを反芻してみろ。
……どえりゃーこと、言ってるけど。本気と書いてマジ…デスカ?』
ハタッと私は思考・動きを止めた。
ぎこちなく教室にいる響子さんとシズさんを流し目にしてみる。
そこには絶句しているお二方、そして電話向こうのケイさんの落ち着けコール。
自分がとんでも発言したことに気付く。
気 付 い て しまいました。
次の瞬間、
「ケイさんにもう顔合わせできないィイイイ!」
発狂して、私は悲鳴を上げてしまったのだった。