お妃様も官吏なり!
 
何度母親に対して、「鬼畜・冷徹・奇人」だと思ったのやら。

しかし、推琳は何も言わずに従った。

父が差し向けた兵士が密かに別邸を守っていることには気づいていたし、仕事が簡単に探せたのも裏で母が手を回したと知っていたから。

さらに兄である深宵も同じ体験をしたことも知っていたし、危険だからと優秀な護衛の灰庵までつけられた。

なんだかんだ言いながら結局家に守られているのだ。

むしろ、そんな不甲斐ない自分に腹が立つ。

母の方針はなかなか良かったらしく、十五歳になった今では、大抵のことは自分でできるようになった。

それが理由なのか、と推琳は手の中にある木簡をあきれたように見つめる。

木簡には、後宮 皇后 国試 三位、とだけ書かれていて、それだけでも推琳はすべてを理解した。

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