お妃様も官吏なり!
 
現王の珀 蓮淵が無き母后の夢だった、女人も国試を受験可能にすること、を実現させたのはまだ記憶に新しい。

三年に一度の国試には何千、何万の人々がうけて落ちていく。

三年前のことなのだが、残念ながら女人は前回誰一人受からず、宮中の者たちは、ほら見ろとも言わんばかりに、その制度を廃止にしようとしている。

言ってしまえば男尊女卑の世界。

女などとるに足らず…と宮中のアホ狸共は言っているのだ。

母上はそれを聞き捨てならないと思ったに違いない。

だから私に、こうやって国試を受けろと言ってきたのだ。

国試は神童と呼ばれた秀才たちが次々に堕ちていくほどかなり厳しい。

しかし、推琳には受かる自信があった。

柳家はもともと万能で完璧主義だ。

つまり、それは蘭家のような「秀才」ではない。

凄い秀才でも、欠点はある。

しかし万能と完璧の意味は「天才」もしくは「超人並の秀才」。

つまり難点があっても欠点がないのだ。

< 4 / 18 >

この作品をシェア

pagetop