お妃様も官吏なり!
 
「ははは。可愛い妹に一つだけ教えてあげよう。主上の側近で、美男子だったらそれは一部を除いて殆ど主上のお手つきだよ。」

…雷を受けたような衝撃だった。

お手つき…ということは、男同士でアハンウフンしちゃったってことで…。

ん?待てよ?そう言えば兄上は宮中では高位の王付きの文官…つまり…。

「あ、あああ兄上もお手つきになっちゃってるんですか!?」

まさかのまさか。

兄上に限ってそんな事無いと思い、訊ねた推琳は、答えを聞いた瞬間仙人になって一生山隠れしたいと思うほど後悔した。

「あ、うん。お手つき~。」

やっちゃったのか…。

まさか何をとは言えず、押し黙り、生まれて初めてともいえる風並の速さで、脱兎のごとく、部屋を出た。

きっとその時の私の表情は、般若より恐ろしく、ミミズより顔の形が解らなかったに違いない。

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