お妃様も官吏なり!
 
そう、考えてみれば兄上がお手つきになっていないはずなど無いのだ。

我が兄ながら、かなり男前な容姿なのだから。

彫りが深い顔立ち、小麦色の肌に引き締まった細い体。妖艶な美貌。
長身と言うのも魅力の一つ。まさに美男。

頭はいいし、剣の腕も凄いし、物腰柔らかな性格。
家柄もいいし、高官で…。

完璧すぎるっ!

スピードは落とさないまま、見えてきた豪奢な部屋の中に入る。

中にいたのは、黄金の玉座にふんぞり返る母、薔香(ショウキョウ)の姿。

急ブレーキをかけて、推琳は母を睨んだ。

木簡を素早く机に叩きつけた。

「後宮の件は辞退させていただきます!!」

「却下です。」

決死の思いで言ったにも関わらず、0.1秒もかからない早さで即答されてしまった。

推琳はそれでは納得がいかず、薔香に詰め寄る。

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