お妃様も官吏なり!
「うー…母上ったら意地悪ね。」
「上等です。さ、て、と。」
薔香は立ち上がり、不思議そうに自分を見つめる娘を見て、ニヤリと笑った。
「推琳、早く準備した方が良いわよ。」
「え…?何を…?」
訳が分からないといった表情で、困惑する推琳の横を、薔香は妖艶な笑みを浮かべながら、すれ違いざま肩に手をのせて通り過ぎていった。
「後宮に入るのは三日後なのよ。」
とんでもない言葉を残して。
しばらく茫然としていた推琳は意味を理解すると、目を見開いた。
「どういうことなのよーー!!このサバよみ奇人ーーー!!!!」
そう、あの母上のことだから、とんでも無いことを言い出すとは思っていたけれどっ!
推琳は思いっきり悪態をついて、その場に座り込んだ。
あぁ、嫌な予感はしてたんです。