【完】天体観測 ~キミと見た星~
―星夏side―…
とうとう椎名くんに言ってしまった。
これで…もう椎名くんは私の事嫌いになったかな?
窓を眺めて思う。
そんな時、
「星夏ちゃんも残酷だねぇ」
木下くんが、向かいのカーテンから出てきた。
「居たの…っ!?」
「ごめんね。聞いちゃった」
全く反省の態度は見れず、舌を出して謝る木下くん。
そんな木下くんに私は呆れて溜息が出た。
「まさか星夏ちゃんがあんな事言うとは」
呑気に笑う木下くん。
「別に…」
そんな木下くんに私は素気なく返事を返した。
「俺の事スキなんだねー」
「えっ!?」
こっちに来ながらサラッと言った木下くん。
そっか、全部聞いてたんだ…。
私は直ぐに否定した。
「ごめんね、嘘だよアレ。嘘つくしか…出来なかった」
「ふーん」
私は下を向きながら言った。
そんな私を見て、木下くんは「残念」とか言いながら、また笑った。
本当に残念がってるのかなこの人は。
木下くんは時々何を考えてるかわからない時がある。