【完】天体観測 ~キミと見た星~
「……私も昔この病院入院してて…それでよく来るの。この病院大好きだからっ」
その少しの間に違和感を感じだけど、俺は信じた。
「入院してたんだ!病気?もう大丈夫なのか?」
弘樹は遠慮というものを知らないのかよ…
「もうとっくに治ってるよ」
そういう鈴原の顔はいつもみたいに笑顔で、ホッとした。
――――――………
「じゃあ俺ら帰るわ」
「おーじゃあまたな」
「南くん、またね」
三時間くらい話しまくってたから、もう今日は疲れた…。
病院を出る途中、色んな看護師や医師が、鈴原を見ると礼をしたり、声をかけたりしてきた。
「そんなに鈴原この病院来てんの?」
「え?」
「だって色んな看護師とかお前の事知ってるじゃん」
「あー、うん。そうなの。この病院大好きだからね」
鈴原は、また笑った。