【完】天体観測 ~キミと見た星~
「最近、翔太の顔元気ないなぁーって思ってみてたのよ」
「……」
「恋愛はいくら悩んでも、答えが見つからないものなのよ。それは、仕方が無い事なの。だから、答えを探すんじゃなくて、自分が思った事を行動しなさい。あんたが選ぶ道。それは絶対に間違いにはならないから。姉ちゃんが保障してあげるよ。大丈夫。」
姉貴はそう言うと、俺の頭を優しく撫でてきた。
姉貴はちゃんと、俺の事心配しててくれたんだ。
ごめんな。ありがとう。
「翔太は今、なにを思う?なにを願う?」
「……」
俺が…思う事…?
…願う…事?
「…俺は…」
それはただ一つ。
「鈴原の傍に居たい。どんな形でも良い。ただ…アイツの傍に居て、少しでも、守ってやりたいんだ」
「その子は鈴原さんって言うんだ。そっか…。」
姉貴は俺の顔をじっと見る。
そして、少し寂しそうな顔でいった。
「あんたも大人になったね」
寂しそうな顔して笑う姉貴。
「姉ちゃんのおかげかもな」
俺は、昔から、姉貴に助けてもらってた。
もちろん、他にも助けられてきたけど。
でも、やっぱり、姉貴は姉ちゃんだ。
弟として、俺を面倒見てくれた。
助けてくれた。
「ありがとな」
少し、恥ずかしくて。
俺らしくないと思ったけど、やっぱり伝えたかった。