【完】天体観測 ~キミと見た星~
「なぁに言ってんのよ!あたし泣いちゃうわよ!」
姉貴は俺の頭をバシッと叩くと、涙を浮かばせた。
「なんか…変だねぇ。翔太が大きくなるにつれて、寂しくなっちゃうよ」
姉貴は「ははっ」と笑った。
俺もだよ…。
「じゃ、翔太が今することはなんだか分かってるわよね?」
「…ああ」
「…よし。んじゃあ晩御飯にしよっ!お母さんがもう作って待ってる」
俺と姉貴は部屋から出て、リビングへと向かった。
「あら?二人して下りてきて…。どうしたの?」
母さんにそう言われて、俺は姉貴と顔を合わせる。
「「ぷっ」」
「え?なぁに?」
「「あはははっ」」
久しぶり姉貴と兄弟らしくなれたかも。
「なんでもない」
家族はどんなこと言ったって
一生ものだ。