【完】天体観測 ~キミと見た星~


「なぁに言ってんのよ!あたし泣いちゃうわよ!」

姉貴は俺の頭をバシッと叩くと、涙を浮かばせた。

「なんか…変だねぇ。翔太が大きくなるにつれて、寂しくなっちゃうよ」

姉貴は「ははっ」と笑った。
俺もだよ…。

「じゃ、翔太が今することはなんだか分かってるわよね?」

「…ああ」

「…よし。んじゃあ晩御飯にしよっ!お母さんがもう作って待ってる」

俺と姉貴は部屋から出て、リビングへと向かった。



「あら?二人して下りてきて…。どうしたの?」

母さんにそう言われて、俺は姉貴と顔を合わせる。

「「ぷっ」」

「え?なぁに?」

「「あはははっ」」

久しぶり姉貴と兄弟らしくなれたかも。

「なんでもない」

家族はどんなこと言ったって
一生ものだ。

< 116 / 191 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop