【完】天体観測 ~キミと見た星~
「ふぅー…」
晩御飯を食べ終えた後。
少し食べ過ぎたかなと後悔していた。
俺は部屋の窓を開けて、外の空気を吸った。
風はひんやりと、冷たかった。
「さむいなぁ…」
ふと、空を見上げる。
「…うわ」
そこには、たくさんの星が輝いていた。
それぞれの星の名前はわからないけど、とにかくたくさん。
鈴原は今、この星を見てるだろうか。
教えてほしかった。
今、一緒に鈴原と星を見ていて、鈴原に星の名前を教えてもらって…。
なんて。
「俺、やっぱ寂しい奴だな」
俺は、どこか寒いんだ。
君が居ないと…。
「…よし」
俺は決意した。
明日、病院へ行こう。
姉貴に言われて、わかったんだ。
今、俺が悩んでいる事に答えは無い。
なら、感情のままに行動すれば良いんだ。
「会いたい」と思えば会いに行けば良い。
「話したい」と思えば話せば良い。
ただ、それだけの事だったんじゃないかな。
俺と鈴原は、木下が出てきただけで崩れるような関係じゃない。
なぁ、そうだろ?鈴原…。