【完】天体観測 ~キミと見た星~
「鈴原…俺は、お前の傍に居て良いか?」
確認するかのように、俺は聞く。
「…うん。居て…居てください…」
あぁ。
やっと、鈴原の本心が聞けた…。
「ハハッ!もうぜってー手放さない!」
「ちょっ…椎名く…苦しっ」
俺は鈴原をより強く抱きしめた。
鈴原に突き放されても良い。
突き放されても、お前の心の中に俺がちゃんと居るなら、俺は何度だって、頑張る。
「椎名くん…本当にごめんね。私…勝手だよね。突き放したり、こうやって…」
「良いんだよ。鈴原の心の中にちゃんと俺が居れば」
「うん。ずっと…居るよ」
今、雰囲気的に、抱きついてるけど…
俺と鈴原はどんな関係なんだ?
俺は鈴原が好き。
鈴原も…俺の事…。
―ガラガラ―
すると、ドアが開いた。
入って来たのは木下だった。
俺と鈴原は慌てて離れる。
「……なにしてるの」
「木下くん。私、もう決めたの。“私はどうせ…”そんな馬鹿馬鹿しい考え方やめる。ちゃんと、自分の本心を言うって…。ごめんね、木下君にも色々と迷惑かけ…」
「何言ってるんだよ」
「え…」
「星夏ちゃんは俺のものだろ?」
ドキンッ
俺の心臓が大きく波打った。