【完】天体観測 ～キミと見た星～

「違うよ。私は、木下くんのものじゃない。誰のものでもない。私のもの」

その鈴原の言葉に安心した。
だけど、誰のものでもない。その言葉に少しだけ、ショックを受けた。

「はっ、笑わせるなよ。君はどっちが大切なんだよ…っ」

木下は鈴原の事が好きだ。
きっと、とんでもなく好きなんだ。

だけど、鈴原は違う。

たぶん、俺と木下は一緒だと思う。
木下も好きな奴の為…。

苦しんでると思う。
もがいてると思う。

でも、それでも、やめられないのは…

これが恋だという事。
愛だという事。

そして俺らは
解決する方法も見つけられないから
また、苦しんで、もがくんだ。

まだ、幼いから――……