【完】天体観測 ~キミと見た星~
―涼介side―
なんなんだよ。
なんで…椎名が。
俺は病室から飛び出して、屋上に来ていた。
「…ッ」
どうしてもイライラする。
あんな奴のどこが良いんだ。
だけど、少し、心が、気持ちが楽になった。
星夏ちゃんはアイツがどうしても好きなんだ。
まぁ、椎名は鈍感だし、気付いてないだろうけど。
それで、なんだか気持ちが晴れた。
というか…諦めがついたって言った方が良いのかな?
あそこまで、想いあってるなら、
逆にスッキリする。
呆れるけどね。
俺は、引き下がるよ。
少しの間だけど、星夏ちゃんに恋出来たし。
俺の幕はなさそうだし。
「はぁーあー」
大きく溜息をつく。
大きな空をみあげる。
これで良いや。
好きな人の幸せを願う。それが俺の幸せ。
…なんて。
今の俺、結構カッコいいんじゃない?