【完】天体観測 ~キミと見た星~
―星夏side―…
椎名くんと気まずい空気になってるとき。
「道をあけてくださいっ」
「医師を呼んでっ!」
廊下が騒がしかった。
「あれ?騒がしいね…」
「あぁ。ちょっと見てくる」
「うん」
私は足が不自由な為、椎名くんが見に行った。
なんだろ。
この騒ぎが、
まさか…
まさか、私たちに関係する事なんてまだ分かっていなかった。
しばらくして椎名くんが帰って来た。
真っ青な顔をして…。
「し、椎名くん?なんだったの?」
椎名くんは小刻みに震える。
それで、ただ事じゃないことがわかる。
なに…?
「鈴原っ…早く…」
「え?」
椎名くんはベッドから私を抱き上げると、車椅子へと乗せる。
「え?え?なに、どうしたの?」
あわあわする私。
だって、状況が把握できない。