【完】天体観測 ~キミと見た星~
病気とあの子
私には中学から持病がある。
「はい、星夏ちゃ~ん。注射しますね~」
ピンクの可愛い衣服をきた看護師さんが、昔の私に話しかける。
痛くないって言ってたけど、その注射はかなり痛かった。
「よく頑張ったわね~!星夏ちゃんはやっぱり偉いわね!すぐ元気になるよ!」
“すぐ元気になるよ!”
その言葉を信じた。
「だいぶ元気になって来たね。もうすぐ退院出来るね」
「星夏ちゃん元気だね~!もう病気も吹っ飛んだんじゃない?」
皆の色んな言葉を信じて、痛い事も辛いことも全部全部頑張って来た。
だけど、なんにも良くならなかった。
そしてある日、私は聞いてしまう。
「医師(センセイ)~、ちょっと話したい事があるんだけど」
医師に話したい事があって、診察室を訪れたとき…
「星夏ちゃんも気の毒ですね。だってもう一生治らない病気だなんて…」
「あぁ、あんなまだ小さいのに…本当可哀想だよ」
「死んでも可笑しくないですもんね…」
そんな会話を聞いてしまった。
治らない?
一生?
今死んでも可笑しいくない?
医師が言ってるのは本当?嘘?
私には分からなかった。
「お母さんー、私っていつ死んでもおかしくないの?」
その夜、病室のベッドに横になってお母さんに聞いたりもした。
「…星夏ったら、何言ってるの?そんなことあるわけないでしょう?」
その時、お母さんは笑った。
医師も看護師さんもそう言う時は笑ってた。
嗚呼、
嘘をつくときは皆笑うんだ。