【完】天体観測 ~キミと見た星~
―バタンッ―
待つこと四時間。
本当、なにもせずに、ただジッと待っているだけだった。
「あ…」
手術室から、運ばれる患者。
私は自分で車椅子を押し、その患者に寄る。
「……うそ…」
ベッドの上に眠るのは、
全く知らない人
じゃなかった。
「どうして…木下く…」
木下くんだった。
静かに眠ってる…木下くん。
これは、夢?
現実?
…夢であってほかった。
そのまま、木下くんは個室へと運ばれた。
それに、椎名くんと私は付いて行く。
「佐々木さん。親族に電話して」
「はい」
看護婦さんたちが、忙しそうに走り回る。
電話…?
…木下くん。
お願い。
目を開けて、ピースサインして。