【完】天体観測 ~キミと見た星~
「ねぇ、どうしてよ…っ!あなただって、車椅子ってことは病気なんでしょ?なら…どうしてあなたが死ぬんじゃなくて、あの子なのよ!!どうして、涼介なの…っ!?」
その言葉に、頭が真っ白になった。
私の腕を強く握って、揺らすおばさん。
「母さん、やめなさい。」
「どうしてよ!どうして…涼介が…っ!あなたじゃなくて…涼介なのよ…っ!!」
「母さん!!!!!」
おじさんが、強く冷たくおばさんを叱った。
「…うぅ…だって…こんなの…可笑しいわよ。」
「…すみません」
私は謝る。
たしかにそうだ。
どうして私じゃ無くて木下くんなんだろう。
私が死ねばよかったんだ。
こんなに、人を振り回して、迷惑掛けて
こんな馬鹿な人間が死ねばよかったんだ。
「…すみません。私じゃ無くて…木下くんで…すみません」
泣くこともできず、ただひたすら、何度も何度も頭をさげて謝った。
「おい、鈴原。やめろ」
そんな私をとめようとする椎名くん。
「いいの。違うの。私が悪いの。木下くんにも迷惑かけたのに…私が…私が…」
「鈴原っ、違う!お前のせいじゃない…」
違うよ。
私の所為だ。
木下くん。
木下くんのおばさん、おじさん。
ごめんなさい。
皆、ごめんなさい。