【完】天体観測 ~キミと見た星~
その音を聞いて
やっと…やっと実感が湧く。
「…っう…ぅ…」
私の頬に涙は伝った。
「12月4日21時47分…。ご愁傷様です…」
近くにいた、医師がそう告げる。
木下くんは微笑むように、眠った。
「涼介ぇえ!!涼介ぇええええ!!」
おばさんとおじさんの、どうにもならない感情が、病室に響く。
ああ…
どうして…
どうして…ですか?
木下くんは…どこへ行くのですか?
もう、戻ってこないの…?
「木下くん…っ私…やだよぉおお!!」
遅い、どうしようもない涙が流れる。
「鈴原…」
椎名くんがソッと私の方を触る。
「うぅ…っう~…っ」
わかった。
ようやく、わかった。
木下くん、ごめん。
私、気付くのが遅かったよ。
私、
私ね…