【完】天体観測 ~キミと見た星~
その経験から、私は嘘をつくとき、時々笑うようになった。
笑えば皆信じる。
私だって信じる。
個室じゃなくて、いろんな人との同室だったから、私は“死”を間近に感じた。
いつもビクビクしてた。
今日は誰がいなくなるのかな?
一人、一人…
この病室から消えて行く。
夜中。
いろんな声がして騒がしかった。
私は目をこすり、ゆっくり重い瞼を開ける。
「んー…」
夜中なのに騒がしい理由は、同室の私より小さい子が心臓発作になったから。
「澪ぉ!死なないでぇ!澪ぉお!!」
その子の親なのか、誰かが叫ぶ。
泣き声をあげる。
私は手を耳にあてて、布団にくるまる。
今日もまた一人消えて行く。
いつか私も消えちゃうの――…?