【完】天体観測 ~キミと見た星~
木下くんがお星様になってから、
早くも二週間が経とうとしていた。
ずっと、瞳は光を失っていた。
失って、気付いた馬鹿な自分に呆れていたのもある。
「……」
「鈴原。おはよう」
そして、毎日のように来てくれる椎名くん。
ボーッとしてるだけの私に、楽しく色んな話をひたすらしてくれる。
「それでな、あの時会った人にたまたま会ってさー…」
椎名くんがいつものように、話をしていたとき、
私の携帯が震えた。
そういえば…
携帯も一つも触ってないな…。
椎名くんの口は止まり、私はゆっくりと携帯の手を伸ばす。
開くと、お母さんからのメール。
≪今晩そっち行くけど、なにか要るものある?≫
そんな質問文だった。
だけど、もう一通、未封筒メールがあった。
…誰?
その未封筒のメールを開く。
「…ぅ…そ…」
差出人は、
木下くんだった。