【完】天体観測 ~キミと見た星~
第三章
光と笑顔
「うわぁ!あったか~い」
季節は2月。
もう年が明けた。
今日は太陽が出てて、温かい。
私はあれから、何度も泣いて、何度も笑った。
でも、今はちゃんと笑えてる。
それは、木下くんのあの言葉のおかげ。
傍で支えてくれた椎名くんのおかげ。
そして、美冬にも事情を話して、謝った。
優しい美冬は、泣きながら許してくれた。
『バカだよ…っ!ホントにアンタは馬鹿だよぉ…っ!私は…絶対に…星夏を嫌いになんてならないんだからぁっ…!』
その言葉は、今でも鮮明に覚えてる。
「あっ!美冬~っ!」
真昼。
庭を車椅子で、椎名くんに押してもらって。
前方からは美冬が笑って走ってくる。
あぁ…
なんてこの光景は素敵なんだろう。
「相変わらず二人は一緒だねぇ~!付き合う事になったら教えてよっ」
ひやかすように、美冬がそう言って来た。
「あははっ」