【完】天体観測 ~キミと見た星~
「よし!んじゃ教室行くか」
「うん」
私の学校は、車椅子用の廊下や階段がある。
そして、椎名くんに押してもらいながら私はその道を初めて進む。
「なんだかドキドキする」
「久しぶりだもんな。そんなに変わってないよ」
変わってない方が良い。
だって、色々思い出したいもん。
私の机はまだちゃんとあるだろうか?
「鈴原。目、閉じてて」
「え?」
もうすぐで教室って所で椎名くんはそう言った。
「ど、どうして?」
「まぁまぁ良いから」
椎名くんはイタズラする子供みたいな無邪気な笑顔をした。
私は言われるがままに、ゆっくりと目を閉じる。
なんだろう。
なにかあるのかな?
私の胸はさらに高鳴る。