【完】天体観測 ~キミと見た星~
―ガラガラ―
開けられる扉の音。
この扉を開ける音も懐かしい。
ここの扉錆びてて、開けるとき変な音鳴るんだよね。
「鈴原、目開けて良いよ」
今私はどこにいるんだろう?
教室に居るのはたしかなんだけど…。
ゆっくりと緊張しながら瞼をあげた。
「……」
だけど黒板しか目に入らなかった。
「椎名くん…?あの…」
戸惑う私。
だって、何も無いじゃない。
「せーいーかぁ!!」
私の椎名くんへの質問と同時に、後ろから私を呼ぶ声がした。
「…ぇ?」
私は鼻がツーンとした。
だって…
だってだって…。
この声、聞いたことある…。
私はゆっくりと後ろを向く。
その途中、目に入った椎名くんは、満足そうに笑ってた。