【完】天体観測 ~キミと見た星~
後ろを向くと、
「星夏ぁ~~っ!!」
「鈴原!!」
笑顔で私を呼ぶ、クラスの皆が居た。
「…み、…んな…」
「星夏っ!久しぶりぃ~っ」
「会いたかったよ~!!」
「鈴原元気にしてたか!?」
次から次へと、皆が声をかけてくれる。
「…どう…して…?」
もう声が震えていた。
瞳が涙でゆれていた。
視界が歪む。
「椎名くん…これ…」
私は涙を堪えて、椎名くんの方を見た。
「ドッキリ大成功!!」
ニッと笑う椎名くん。
私は口を両手で押さえた。
その手さえも、震えてた。
「…皆が…居る…」
美冬も、南くんも。
皆皆…。
これは夢?
夢だとしたら覚めないでほしい。
ずっと、皆と居たい。
「…ぅうっ…」
何も言えない。
この気持ちを、どう表現して良いのかわからない。
だけど、涙がいっぱい出てくる。
「あははっ!星夏泣くなんて大袈裟だよ~!!」
「鈴原泣いてるし!!」
泣いてる私を見て、皆が笑う。
皆の笑い声を、いっぱい聞いて、いつのまにか、私も笑顔になっていた。