【完】天体観測 ~キミと見た星~
「星夏!水臭いじゃん!ウチら友達でしょ~?」
「そうだよ!病気なんて知らなかったよ~っ」
「病気だからって距離置いたりしねぇのにな」
私の周りを皆が囲んでいた。
「ごめん…ごめんね、皆…」
笑っていようと決めていたのに、また涙が出てくる。
「もぉ~!泣かないでよ!」
そう言ってる皆まで、瞳がウルウルしている。
「でも、どうして皆、ここに…?」
「椎名だよ。電話くれて、集合したの」
椎名くんが…?
椎名くんの方を見ると、ピースサインをしている。
「あ…ありがとう…」
嬉しかった。
だって、私だけのために、皆が集まってくれた。
クラスの皆が…。
私はきっと、皆の心の中に居ないだろうって思ってた。
友達は、美冬だけだって思ってた。
だけど…違った。
壁を作ってたのは、自分自身だったんだ。