【完】天体観測 ~キミと見た星~
「最近すこし、騒ぐ過ぎでしたね」
「…そうですか」
「これからはベッドだけの生活になります」
「…はい」
聞こえる。
硬いベッドに寝て、目を閉じて、真っ暗で。
その中で、お母さんと医師の声が聞こえる。
そっか。
ちょっと、調子乗り過ぎたんだ。
美冬を、傷つけたから…
「あ、星夏ちゃん。もう大丈夫?」
私はゆっくりと目を開ける。
「はい」
「…ちょっと、最近元気すぎたからね」
「……」
「しばらく、ベッドで安静にしてよう」
「医師!」
「…ん?」
「私…明日の夜、どうしても…どうしても屋上に行きたいんです!!」
「…なにを言ってるの?さっき言ったでしょ。安静にしてなさいって」
「…駄目なの。明日じゃないと駄目だから…っ!!」
「駄目です」
どうして…
明日、一緒に椎名くんと星を見るって言ったんだ。
約束はちゃんと、しっかり守らないといけないんだ。
「お願いします!」
「……」
医師は溜息をつく。
この約束を守れなかったら、
これから先…
結婚とか…守れなっくなっちゃう。