【完】天体観測 ~キミと見た星~
―椎名side―…
「えーと…ここだっけ…?」
俺は鈴原との天体観測を明日に控え、あるものを倉庫から探していた。
…ない。
結構探したけど、ないぞ?
「なぁ、姉ちゃん!!どこだよ。天体望遠鏡」
「えー?あるでしょ。倉庫にー」
「ねぇから言ってんだよ」
「も~」
姉貴はめんどくさそうにこちらへやってきて、倉庫の中をガサガサ探る。
「な?ないだろ?」
「……あんた、目どこについてんのよ」
「はぁ?」
「ほら。これでしょーが」
姉貴は「おりゃ」と言いながら、それなりにデカイ天体望遠鏡を引っ張りだした。
「あんたも手伝いなさいよ」
「あ、あぁ」
うわ!でかっ
「あー重っ」
「助かったわ」
「翔太これ持っていけんの?」
「大丈夫大丈夫。」
「いや、無理でしょ。」
たしかに。
ちょっと無理があるかもな。
「ったく。…明日、病院の前まで車で送って行ってあげる」
「え!まじ!?」
「まじよ。感謝しなさい」
「ありがと!」
俺は都合良く、姉貴に礼を言った。