【完】天体観測 ~キミと見た星~
よし。
これで、後は明日の夜を待つだけだ!
俺はすごく楽しみで、ずっと天体観測のことばかり考えていた。
俺がこうしている間、まさか…まさか、鈴原が痛みに苦しんでいる事なんて、知る由もなかった。
「翔太!!早く乗んなさい!!」
「ちょっ、わーってるって!」
「もぉー!男のくせに天体望遠鏡運ぶことも出来ないの!?情けない…」
次の日の夜。
いよいよ、鈴原と天体観測する時間になった。
俺は姉貴の車に天体望遠鏡を乗せる。
これがまた重くて、かなり手こずった。
「はい、車出すわよー」
「おう」
そして、暗い夜道の中、俺と姉貴は病院へと向かった。
「うわっ!ちょー事故んなよ」
「わかってるわよ!暗いから仕方ないの」
姉貴の運転は、ハッキリ言って不安で、こんなんでよく免許取れたなって思う。
「はい、無事とうちゃーく」
病院の前で車を止めてもらい、天体望遠鏡と一緒に俺は車を降りる。
「翔太!頑張んなさいよ!」
「…なにをだよ」
「ちゃんと勇気もって告白するんだよ!」
「…いや、もう告白したから」
「えっ!?」
「…てか、……婚約したし」
「………ええええ!!!!???」
そりゃそうだな。
姉貴が驚くのも無理ない。
まぁ、そんな姉貴は放っておいて…。
俺は病院の中へとデカイ荷物を持って入った。